親権を争う裁判の弁護士尋問

親権を争う裁判の弁護士尋問事例~傍聴席から~

「夫・妻が浮気をして、離婚することになった。しかし、親権を浮気相手と一緒になる夫・妻が取ろうとしている。」
離婚を前に親権を争うことはよく有ることです。

弁護士特に、子供が自分から離れて浮気相手と暮らすような事は絶対に許せません。
更に愛情を注いできた我が子には不憫な思いをさせる訳にはいかず、なんとしてでも自分が育てたい。

弊社で浮気調査を実施し、浮気の証拠を撮り、慰謝料も獲得しましたが、子供の親権で裁判となった事例をご紹介いたします。

ここでは裁判で実際にどんなやりとりがあったか、弁護士の尋問はどのような内容であったかをご紹介いたします。

同様のケースの方、今後、親権問題が発生する可能性がある方に参考になれば幸いです。

以下は、弊社の案件の実際に行われた法廷でのやりとりですので、全ての案件に当てはまるとは言えませんのでご了承下さい。

離婚裁判の出席者

原告妻(パート)、代理人弁護士1名
被告夫(年収700万)、浮気相手の女性、代理人弁護士2名
裁判官1名書記官1名
傍聴人私達の他に、被告の関係者と思われる人物が3名

被告(夫)の代理人(弁護士)が原告(妻)に対して行った尋問内容

別居前についての尋問

  1. 浪費について(夫の収入の殆どをネズミ講商法に使い生活が困窮し、夫の親に月*万円の援助を受けていたにもかかわらず、ネズミ講商法をやめなかった理由は?)※支払明細書有
  2. 専業主婦で家事を怠っていなかったか?(食事、洗濯、食器洗物、子供の弁当の内容)弁当の中身は冷凍食品が多かった。※写真有
  3. 子供の服をきちんと買い与えていたか?(穴の開いた手袋一つしかなかった。外出用のズボンがなく、家族で外出した際、夫が買い与えた)
  4. パートをしていた際でも、就業時間になぞれば子供と接する時間はあったのに時間がないと言った理由は何か?
  5. 高価なダイソン社の掃除機を強請(ねだ)られ、買い与えたのに掃除をせず、部屋にホコリが蓄積していたのは何故か?
  6. 原告はネコを飼育しており、住居の中に何日分もの排泄物が除去されておらず、除去出来なかった理由は何故か?(明らかに1日分の量ではない)
  7. 別居後、子供を夫に合わせなかった理由は?
  8. 別居の理由を子供に話していたか?

質問の趣旨

別居前の被告(妻)の散財の度合い、子供の養育を満足にしていなかった事を訴えるために質問したと思われます。
原告が親権を取るに当たり、不利になるような尋問しています。

別居後について(子供の親権を得た場合)

  1. 収入について(給料や、どのような所に就職するのか、就業の時間帯等)
  2. 子供が病気になった時、子供の面倒を見れる大人が、近隣にいるか?
  3. 毎日の生活の中で、子供の面倒を見れる大人が何人いるか?
  4. 今現在住んでいる部屋の間取り。家賃は?

質問の趣旨

今後、子供を養育する為の経済力、生活環境の質問です。
夫と比べて、経済力のなさを証明するため尋問しています。

原告(妻)の代理人(弁護士)が原告(妻)に対して行った尋問内容

  1. 父親が浮気をしている事を子供は知っていたのか?
  2. また、その事について子供の精神状況はどうだったか?
  3. 子供は、父親が浮気相手と住んでいる事についてどう思っていたか?
  4. 父親がいなくなってからの、子供の精神状況について
  5. 別居後、夫は子供の状況について聞いてきた事はあるのか?
  6. 子供が今住んでいる場所から引っ越す際の影響は?学校の転校による友達環境など
  7. 引っ越した際の、今現在通っている子供の塾の影響。(塾が変わる事により、学習の影響はどうか?)
  8. 父親が子供を引き取る事になった場合、仕事をセーブし子供と一緒に過ごす時間をつくると言っているが、同居中、仕事が忙しいと言い家にいなかった事が多いのに、 簡単に仕事の時間を調節する事ができると思うか?
  9. 父親が同居時、子供の面倒をどの程度見ていたのか?(仕事が忙しくほとんど見ていなかったのでは)

質問の趣旨

被告の不貞行為がいかに子供に悪影響があったか、夫が親権を取る事が不適である事を証明するために尋問しています。

原告(妻)の代理人(弁護士)が被告(夫)に対して行った尋問内容

別居前についての尋問

  1. 別居した時期
  2. 別居した理由
  3. 浮気相手といつから付き合いが始まったか?(夫婦関係破綻後か否か)
  4. 仕事が忙しいのに、子供ときちんと接する事ができていたのか?
  5. 子供の成長(精神面)で問題はなかったか?
  6. 子供の前で、妻に対し汚い言葉を使わなかったか?
  7. 子供の服が不足している事に気がついたのはいつか?
  8. 結婚をする際、妻の母親に挨拶に言った時の言葉。(娘は何も出来ないが、それでもよいか?と言われ承諾)
  9. 別居の理由を子供に話していたか?
  10. 浮気相手の存在を子供に話していたか?(子供に嘘を言っていないか)
  11. 浮気している事を子供が知った時の、子供の精神的ダメージを考えなかったのか?
  12. 妻に対し罵詈雑言を言った理由。
  13. 子供に会った時の内容
  14. 子供を自分が住んでいる所に宿泊させた時の状況(浮気相手が一緒だったのか?また、どの部屋で誰と寝たのか)
  15. 陳述書に「子供には嘘をつかない」と記載したにもかかわらず、被告が子供を連れ遊びに行った時、偶然を装って浮気相手と子供を合わせたのは何故か?
  16. 妻に子供に会わせてもらえなくなった時、会いたいなら誰かを介してでも、会おうという努力をしなかったのは何故か?

質問の趣旨

被告の不貞行為によって子供がいかにダメージを受けたか、被告本人に尋問しています。
また、被告が子供を養育する意思が堅いのか否かを尋問しています。

別居前についての尋問

  1. 子供が浮気相手に懐いているのか?(子供が父親と浮気相手のいる所に泊りに行かなくなった。並びに、遊びに行かなくなった理由は?)

質問の趣旨

子供が浮気相手と面識がある事を被告側は主張していますが、その主張を覆すために尋問しています。

被告 (夫)の代理人(弁護士)が被告(夫)に対しての質問内容

  1. 収入について
  2. 毎日の生活の中で、子供の面倒を見れる大人が何人いるか?
  3. 子供の生活環境について
  4. 今現在住んでいる部屋の間取り。
  5. 子供の教育方針(例 子供が習いごとをしたいと言ってきた時にどうするか?)
  6. 被告及び子供、浮気相手と遊んだ際の内容(その時、子供が描いた絵についてだが、子供が浮気相手の顔を絵にしていた)
  7. 料理はつくれるか?(子供と一緒に暮らす事になった際、子供にどんな料理をつくってあげられるか?

質問の趣旨

被告が親権を取った場合、母親なしでも不利ではないことを証明するための尋問です。